sagitta_luminis
創作の原稿、設定置き場
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幼い頃は、紙に絵を描くとそこに魔法が宿る程度のものだった。例えば、私が描いた金木犀の絵からはほのかに金木犀の香りがしたり、大きな太陽の絵からは少し暖かみを感じたりだとか、気のせいと言われればそこまでのごく僅かなものだった。
けれど、私がものを喋りだし...
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その太刀を挟んで白銀の淡く光る眼と烏の赤目とが睨み合う。それぞれの眼光は、互いを射貫くかのように鋭い。
太刀を巡って力を掛け合う両者。その膂力が拮抗しているこの状況において、一瞬でも力の掛け方を間違えば即座に隙が生じ、相手に得物を与えてしまうことにな...
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「…最後に高山さんと話したのは、何時ですか?」
”人の話”を聞くことはもう苦痛ながらも、何か情報があれば見落としはできない。どうにか話を続けようと剣人は言葉を絞り出した。神経が昂っているのだろう。手足の痺れが収まる様子は見られない。
「今月の19日、...
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没案になります。ただ消すには惜しいので供養ですw
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はじめて地球に来た頃は右も左もわからなかった。できれば来る前にこの世界のことについて予習をしておきたかったけれど、あの時の私にそんな猶予...
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フクロウの姿をした魔法生物。ホーッホーッと鳴く。
ルクスカーデン王女のお目付け役兼使用人であり、心羽が生まれた時から一緒にいる。変身魔法が得意で、別の生き物やブレスレットといった装飾品まで様々なものに化ける。そのためどんな時でも心羽の近くにいる一心同...
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朝憬市立望海中学校に通う中学2年生(14歳)。お目付け役兼使用人のエウィグとともに暮らす魔法使い。好きな食べ物はアイス。趣味は星の観察、ハンドメイド。特技(?)は手品。
魔法が使えることを隠し、普通の中学生のように振舞って生活しているが……
その正体...
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その後、一先ずは状態が落ち着いたとされ、警察に事情を聞かれた後、4月23日に退院した剣人は、哲也と純子と共に実家の車に乗って朝憬市にある剣人のアパートまで送られた。「そのまま実家に帰ってきてもいい」と両親は言っていたが、新生活を始めて二週間足らずでの...
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2020年4月13日。その日の朝憬英道大学文学部一回生、花森剣人(ハナモリケント)のスケジュールは、言語学と哲学概論の講義が午前中に1コマずつ。午後は自宅アパートの最寄りの古本屋兼ゲームショップ“ぶりっじ”でのアルバイト勤務が3時間だった。
…面倒く...
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2020年4月16日。花森剣人が目を冷ますと、まず視界に入ってきたのは清潔感を感じさせる白い天井だった。ここは…どこだ?続いて感じたのは手に感じる柔らかな温み。まだ半開きの目線が、その温みを辿る。そこには疲れた顔で自分を見守る母、純子(すみこ)の姿が...