禁忌の魔法 2.星喰いの月 version 2
究極の魔法 2.
@[TOC]
##### 2-1.
リュミエ王女は気が付くとルクスカーデン王国に帰還していた。前回の旅で強烈なトラウマを植え付けられたため次元旅行への意欲がすっかり消え失せ、様変わりした様子にエドウィン王だけでなくグレイス王妃も異変に気付いて声をかける。しかしリュミエ王女は言葉を返す元気もなく、ただ呆然自失としているだけだった。
##### 2-2.
心配になった王と王妃は王女のためお守りを用意することに。
ブレスレットの形をしたお守りは旅先でのあらゆる危険を防げる防護魔法がかけられ、加えて万一の際の緊急連絡手段として王女から預かっていた繋晶石(次元を超えての通信が可能な星光結晶)を組み込み、さらに1度限り、あらゆる不可能を超越して実行できる“究極の魔法”が備わった無敵のお守りを錬成する。
リュミエ王女は両親からのプレゼントなので受け取って身につけるが、もう旅行に出る気にはならなかった。
リュミエ王女は旅先でたくさんの友達を作ってしまったことを後悔し、彼らがエクリプスに蹂躙されるかもしれない恐怖に震えながらも、もうなにも出来ない、関わらない方がいいと諦めてしまっていた。
##### 2-3.
翌朝。リュミエ王女は切羽詰まった表情のグレイス王妃に叩き起され、ルクスカーデンにエクリプスが侵入してきたことを知る。
(本来エクリプスはルクスカーデンに次元跳躍することはできないが、先日の実験の際にリュミエ王女の絶望を苗床にエクリプスを生み出しており、そのエクリプスが持つ「星渡り」の能力でリュミエ王女の絶望を嗅ぎつけて次元跳躍してきた)
翌朝。エドウィン王は異次元からの来訪者———エクリプスがルクスカーデン内に侵入していることを確認。数は一体のみ。リュミエ王女と同じ「星渡り」の能力持ち。そのエクリプスはリュミエ王女が持つ星渡りの能力をはじめとした様々な超技術の原理を調査しにきた。ルクスカーデンの住民から聴取を行い、その能力は“魔法”と呼ばれ、王族のみが持つ力で何かしらの技術を用いているわけではないらしいことを知る。そのため、そのエクリプスは自身の「星渡り」のように、王族からエクリプスを生み出すことで自分たちの技術に取り込むことを計画した。
まずはエドウィン王をおびき出すため目立つようルクスカーデン住民を襲撃。反応したエドウィン王は即座に駆け付けて防衛するも、そのエクリプスの実力は高く、近隣住民を護りながら戦うエドウィン王はなかなかとどめを刺せず、長期戦の末にエクリプスを仕留める。
##### 2-4.
リュミエ王女は切羽詰まった表情のグレイス王妃に叩き起され、ルクスカーデンにエクリプスが侵入してきたことを知る。数は数千。エドウィン王が倒したはずの個体は星渡りの力で次元跳躍をしており、実体がこの次元にないため実際には倒されておらず、倒す手段もない。かつてリュミエ王女が家族を連れて次元旅行をしたように、星渡りのエクリプスも数千のエクリプスを転移させてルクスカーデンに送りこんできた。
ルクスカーデンを片っ端から侵略し、エドウィン王が対応するも全く歯が立たず、王城にまでその侵攻が及ぼうとしていた。
リュミエ王女は顔が青ざめ、自分が旅をしたせいでルクスカーデン中の人々まで蹂躙されてしまうことの責任と罪悪感に耐えられず、その場で吐いてしまう。
卒倒しそうになるリュミエ王女をグレイス王妃はさっと抱きかかえ、逃げ隠れることを提案する。しかしこのルクスカーデンに外はなく、リュミエ王女はここで逃げても生きた心地がしないため、エドウィン王と共にルクスカーデンを守ることを決意。グレイス王妃は王族といえど元は一般人で魔法は使えず、ジェイムス王子はまだ幼いため2人で隠れてもらい、リュミエ王女はブレスレットを手に王城を飛び出した。
2-1.
リュミエ王女は気が付くとルクスカーデン王国に帰還していた。前回の旅で強烈なトラウマを植え付けられたため次元旅行への意欲がすっかり消え失せ、様変わりした様子にエドウィン王だけでなくグレイス王妃も異変に気付いて声をかける。しかしリュミエ王女は言葉を返す元気もなく、ただ呆然自失としているだけだった。
2-2.
心配になった王と王妃は王女のためお守りを用意することに。
ブレスレットの形をしたお守りは旅先でのあらゆる危険を防げる防護魔法がかけられ、加えて万一の際の緊急連絡手段として王女から預かっていた繋晶石(次元を超えての通信が可能な星光結晶)を組み込み、さらに1度限り、あらゆる不可能を超越して実行できる“究極の魔法”が備わった無敵のお守りを錬成する。
リュミエ王女は両親からのプレゼントなので受け取って身につけるが、もう旅行に出る気にはならなかった。
リュミエ王女は旅先でたくさんの友達を作ってしまったことを後悔し、彼らがエクリプスに蹂躙されるかもしれない恐怖に震えながらも、もうなにも出来ない、関わらない方がいいと諦めてしまっていた。
2-3.
翌朝。エドウィン王は異次元からの来訪者———エクリプスがルクスカーデン内に侵入していることを確認。数は一体のみ。リュミエ王女と同じ「星渡り」の能力持ち。そのエクリプスはリュミエ王女が持つ星渡りの能力をはじめとした様々な超技術の原理を調査しにきた。ルクスカーデンの住民から聴取を行い、その能力は“魔法”と呼ばれ、王族のみが持つ力で何かしらの技術を用いているわけではないらしいことを知る。そのため、そのエクリプスは自身の「星渡り」のように、王族からエクリプスを生み出すことで自分たちの技術に取り込むことを計画した。
まずはエドウィン王をおびき出すため目立つようルクスカーデン住民を襲撃。反応したエドウィン王は即座に駆け付けて防衛するも、そのエクリプスの実力は高く、近隣住民を護りながら戦うエドウィン王はなかなかとどめを刺せず、長期戦の末にエクリプスを仕留める。
2-4.
リュミエ王女は切羽詰まった表情のグレイス王妃に叩き起され、ルクスカーデンにエクリプスが侵入してきたことを知る。数は数千。エドウィン王が倒したはずの個体は星渡りの力で次元跳躍をしており、実体がこの次元にないため実際には倒されておらず、倒す手段もない。かつてリュミエ王女が家族を連れて次元旅行をしたように、星渡りのエクリプスも数千のエクリプスを転移させてルクスカーデンに送りこんできた。
ルクスカーデンを片っ端から侵略し、エドウィン王が対応するも全く歯が立たず、王城にまでその侵攻が及ぼうとしていた。
リュミエ王女は顔が青ざめ、自分が旅をしたせいでルクスカーデン中の人々まで蹂躙されてしまうことの責任と罪悪感に耐えられず、その場で吐いてしまう。
卒倒しそうになるリュミエ王女をグレイス王妃はさっと抱きかかえ、逃げ隠れることを提案する。しかしこのルクスカーデンに外はなく、リュミエ王女はここで逃げても生きた心地がしないため、エドウィン王と共にルクスカーデンを守ることを決意。グレイス王妃は王族といえど元は一般人で魔法は使えず、ジェイムス王子はまだ幼いため2人で隠れてもらい、リュミエ王女はブレスレットを手に王城を飛び出した。