鴉と火の鳥 No.1 1/2 【B】 version 24

2021/11/30 06:33 by someone
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花森健人の空 プロット
『展開メモ』

【No.1】
物語の導入として、朝憬市の街並みと人々の生活模様の描写。それを脅かすエクリプスを描く。そしてエクリプスたちとリュミエ、リーンによる戦闘。敢えてこの戦闘の結末は描かず、暗転させる。この際読み手を引きつけるため、強い印象を伴う台詞をリーンが告げる。
そのまま場面転換。時系列としては遡り、リーンの変身能力を宿す前の花森健人の人物像を簡単に描写する。
そしてネーゲルによる健人襲撃と、健人の変身、リーンとネーゲルの戦闘を描く。

【No.2】
ネーゲルとの戦闘後、気を失った病院で目覚めた健人と家族との描写。その後情報を求める健人。そこから大学にて怪事件を追う横尾和明との情報共有へ。しかしリーンを追うエクリプスの刺客として、クモが大学に迫り、和明が逃げ遅れる。そして健人が不意にリーンに変身し戦闘。
ネーゲルとの戦闘後、気を失った病院で目覚めた健人と家族との描写。その後情報を求める健人。そこから大学にて怪事件を追う横尾和明との情報共有へ。しかしリーンを追うエクリプスの刺客として、アハトが大学に迫り、和明が逃げ遅れる。そして健人が不意にリーンに変身し戦闘。

【No.3】
戦闘後、健人は和明を助け起こし、襲われたもう一人の男子学生も助け起こしに行く。だが疲弊した様子ながらも突っぱねられてしまう。そのうち警察が大学に駆け付けるも、和明は過去に遭遇したある事件の経験から警察を面倒とし、健人もその場から去る。その際の咄嗟の会話から、健人には異形と化した自身と社会に恐怖する。
どうにか自身を奮い立たせ、健人は再度横尾と話す。そして先の男子学生に接触しようということとなった。学生の様子と怪事件を調査資料を突き合わせ、不穏な状況を感じ取ったが故の行動だった。苦心の末に学生——葉山修司に何とかたどり着くも、やはり強い反発を受けて二人はその場を去るも葉山の妹——薫に引き留められる。しかしその時、サソリのエクリプスが二人と薫を襲撃する。そしてエクリプスたちもまた、リーンに対しての包囲網を敷かんとしていた。その後、恐怖しながらも二人を逃がすべく健人は自身を囮にサソリを引き寄せて戦闘する。

【No.4】
どうにかリーンはサソリを撃破。一方和明は逃げた先で薫の話を聞くことになる。彼女たちの困難な家庭事情、修司はその困難から高校一年まで素行が悪かったが、薫たち家族への思いから心根を入れ替え、学業にバイトに精一杯務めてきた。しかしその両立が困難になっていた。


『展開内訳』
No.1 1/4
朝憬市の人々はその日も自分たちの日常を送っていた。朝憬駅前に位置する交差点を往来する人混みの中を、ゴシック系の出で立ちで歩く男女が一組いた。
朝憬市の人々はその日も自分たちの日常を送っていた。朝憬駅前に位置する交差点を往来する人混みの中を、ゴシック系の出で立ちで歩く男女が一組いた。この男女の周囲を歩く人は皆、怪訝さや奇異な目、或いは嘲笑を交えて男女を見ていた。やがて女が男に問う。
「獲物は、決まったか?」
「…ああ、全員だ」
そう言葉を交わすと、男女はカマキリとバラの異形にそれぞれ姿を変えた。驚愕する者、その付近から離れようとする者、人々の反応はそれぞれだったものの、その変身に興味を抱いた者がカメラを構える。それを「煩わしい羽虫」とし、バラの槍が彼を刺し貫いた。交差点はパニック状態に陥り、人々はそこから逃げ去ろうとする。しかし同時に周囲に潜んでいた異形らがその姿を現しそこに居た皆を襲う。
今嗤った奴らと…ああ、全員だ」
そう言葉を交わすと、男女はカマキリとバラの異形にそれぞれ姿を変えた。驚愕する者、その付近から離れようとする者、やはり人々の反応はそれぞれだったものの、その変身に興味を抱いた者がカメラを構える。その時バラの槍が彼を刺し貫いた。交差点はパニック状態に陥り、人々はそこから逃げ去ろうとする。しかし同時に周囲に潜んでいた異形らがその姿を現しそこに居た皆を襲う。

No.1 1/4 演出意図
この時は実は作中中盤であり、本来"花森健人の空"で扱う場面ではない。また、人々を襲うエクリプスらは、彼ら組織の目的のために人を襲っているわけではない。
あくまで自身らのための力を求めて人々を襲い、絶望させていると片割れは想定している。動機としては、彼らは組織の目的に気付いたが故に、自身らの力を増して組織に反逆することで生き残ろうとしていた。
彼ら”はぐれエクリプス”と利害が一致しないネーゲルはその存在を「組織の統制に関わる」と断じ、心羽や健人たちにはぐれエクリプスの一斉蜂起の情報を提供する。
当初は皆、その情報について出処故に疑念を抱いたものの、エクリプスたちと心羽たち、互いの存在を認知しているのは互いのみであり、他に掛け合うことも出来ない。また、罠ではないことを確信させるため、ネーゲルは一時的に共闘を持ちかけ、疑わしければ「この背を切れ」と持ちかける。この際には健人や心羽やそれぞれの人物の揺れ動きも描写したい。そしてはぐれエクリプスが暴れる朝憬駅の周辺の東西南北それぞれに主人公陣営は自身らを配置していた。

No.1 2/4
心羽と健人が駆け、リュミエとリーンに変身。道行く下級のエクリプスを薙ぎ払い、その中心である交差点でカマキリとバラと対峙する。この時カマキリたちはフォースフィールドを展開することはせず、そのまま街中で戦うことになる。
心羽と健人が駆け、リュミエとリーンに変身。道行く下級のエクリプスを薙ぎ払い、その事態の発生した交差点ではぐれエクリプスらの指揮を執るカマキリとバラと対峙する。この時カマキリたちはフォースフィールドを展開することはせず、そのまま街中で戦うことになる。
交錯する剣と鎌、バラの槍と炎の魔法。しかしやはり多勢に無勢。苦戦する二人をエクリプスらは嘲笑する。その時渇いた笑みと共にリーンが告げた。
「安い命だよな」
「あ?」
「…生きるにも、死ぬにもさ」
それだけ言ったリーンのことを、リュミエは愁いに震えた瞳で見つめていた。

No.1 2/4 演出意図
はぐれエクリプスらの蜂起によって、朝憬市の人々にエクリプスの脅威が知れ渡ることになった。これにより、それまで組織が統制していた活動が秘匿されていた意味が崩壊する。はぐれエクリプスらはこれを狙って街中で派手に暴れたという筋である


はぐれエクリプスらの蜂起によって、朝憬市の人々にエクリプスの脅威が知れ渡ることになった。これにより、それまで組織が統制していた活動が秘匿されていた意味が崩壊する。はぐれエクリプスらはこれを狙って街中で派手に暴れたという筋である
また、リーンの台詞は生きるために他者の心を喰らうエクリプスと、他者の生命を喰らうように生きる人間の様への皮肉と、はぐれも含めエクリプスを殺めることへの言い訳、またそうしていないと崩れ落ちそうになる自身への自嘲と陶酔である。
また、リュミエはこの闘争に苦しむ花森健人を見ている前提であるため、その様相や言葉に動揺し、不穏さを感じ、また彼の心身を案じているというイメージである。
      


【No.1】
物語の導入として、朝憬市の街並みと人々の生活模様の描写。それを脅かすエクリプスを描く。そしてエクリプスたちとリュミエ、リーンによる戦闘。敢えてこの戦闘の結末は描かず、暗転させる。この際読み手を引きつけるため、強い印象を伴う台詞をリーンが告げる。
そのまま場面転換。時系列としては遡り、リーンの変身能力を宿す前の花森健人の人物像を簡単に描写する。
そしてネーゲルによる健人襲撃と、健人の変身、リーンとネーゲルの戦闘を描く。

【No.2】
ネーゲルとの戦闘後、気を失った病院で目覚めた健人と家族との描写。その後情報を求める健人。そこから大学にて怪事件を追う横尾和明との情報共有へ。しかしリーンを追うエクリプスの刺客として、アハトが大学に迫り、和明が逃げ遅れる。そして健人が不意にリーンに変身し戦闘。

【No.3】
戦闘後、健人は和明を助け起こし、襲われたもう一人の男子学生も助け起こしに行く。だが疲弊した様子ながらも突っぱねられてしまう。そのうち警察が大学に駆け付けるも、和明は過去に遭遇したある事件の経験から警察を面倒とし、健人もその場から去る。その際の咄嗟の会話から、健人には異形と化した自身と社会に恐怖する。
どうにか自身を奮い立たせ、健人は再度横尾と話す。そして先の男子学生に接触しようということとなった。学生の様子と怪事件を調査資料を突き合わせ、不穏な状況を感じ取ったが故の行動だった。苦心の末に学生——葉山修司に何とかたどり着くも、やはり強い反発を受けて二人はその場を去るも葉山の妹——薫に引き留められる。しかしその時、サソリのエクリプスが二人と薫を襲撃する。そしてエクリプスたちもまた、リーンに対しての包囲網を敷かんとしていた。その後、恐怖しながらも二人を逃がすべく健人は自身を囮にサソリを引き寄せて戦闘する。

【No.4】
どうにかリーンはサソリを撃破。一方和明は逃げた先で薫の話を聞くことになる。彼女たちの困難な家庭事情、修司はその困難から高校一年まで素行が悪かったが、薫たち家族への思いから心根を入れ替え、学業にバイトに精一杯務めてきた。しかしその両立が困難になっていた。

No.1 1/4
朝憬市の人々はその日も自分たちの日常を送っていた。朝憬駅前に位置する交差点を往来する人混みの中を、ゴシック系の出で立ちで歩く男女が一組いた。この男女の周囲を歩く人は皆、怪訝さや奇異な目、或いは嘲笑を交えて男女を見ていた。やがて女が男に問う。
「獲物は、決まったか?」
「今嗤った奴らと…ああ、全員だ」
そう言葉を交わすと、男女はカマキリとバラの異形にそれぞれ姿を変えた。驚愕する者、その付近から離れようとする者、やはり人々の反応はそれぞれだったものの、その変身に興味を抱いた者がカメラを構える。その時バラの槍が彼を刺し貫いた。交差点はパニック状態に陥り、人々はそこから逃げ去ろうとする。しかし同時に周囲に潜んでいた異形らがその姿を現しそこに居た皆を襲う。

No.1 1/4 演出意図
この時は実は作中中盤であり、本来"花森健人の空"で扱う場面ではない。また、人々を襲うエクリプスらは、彼ら組織の目的のために人を襲っているわけではない。
あくまで自身らのための力を求めて人々を襲い、絶望させていると片割れは想定している。動機としては、彼らは組織の目的に気付いたが故に、自身らの力を増して組織に反逆することで生き残ろうとしていた。
彼ら”はぐれエクリプス”と利害が一致しないネーゲルはその存在を「組織の統制に関わる」と断じ、心羽や健人たちにはぐれエクリプスの一斉蜂起の情報を提供する。
当初は皆、その情報について出処故に疑念を抱いたものの、エクリプスたちと心羽たち、互いの存在を認知しているのは互いのみであり、他に掛け合うことも出来ない。また、罠ではないことを確信させるため、ネーゲルは一時的に共闘を持ちかけ、疑わしければ「この背を切れ」と持ちかける。この際には健人や心羽やそれぞれの人物の揺れ動きも描写したい。そしてはぐれエクリプスが暴れる朝憬駅の周辺の東西南北それぞれに主人公陣営は自身らを配置していた。

No.1 2/4
心羽と健人が駆け、リュミエとリーンに変身。道行く下級のエクリプスを薙ぎ払い、その事態の発生した交差点ではぐれエクリプスらの指揮を執るカマキリとバラと対峙する。この時カマキリたちはフォースフィールドを展開することはせず、そのまま街中で戦うことになる。
交錯する剣と鎌、バラの槍と炎の魔法。しかしやはり多勢に無勢。苦戦する二人をエクリプスらは嘲笑する。その時渇いた笑みと共にリーンが告げた。
「安い命だよな」
「あ?」
「…生きるにも、死ぬにもさ」
それだけ言ったリーンのことを、リュミエは愁いに震えた瞳で見つめていた。

No.1 2/4 演出意図
はぐれエクリプスらの蜂起によって、朝憬市の人々にエクリプスの脅威が知れ渡ることになった。これにより、それまで組織が統制していた活動が秘匿されていた意味が崩壊する。はぐれエクリプスらはこれを狙って街中で派手に暴れたという筋である。
また、リーンの台詞は生きるために他者の心を喰らうエクリプスと、他者の生命を喰らうように生きる人間の様への皮肉と、はぐれも含めエクリプスを殺めることへの言い訳、またそうしていないと崩れ落ちそうになる自身への自嘲と陶酔である。
また、リュミエはこの闘争に苦しむ花森健人を見ている前提であるため、その様相や言葉に動揺し、不穏さを感じ、また彼の心身を案じているというイメージである。