モルによる提案:絶望の賜主 version 5
モルによる提案:絶望の賜主
人は醜い生き物だ。
いくつの世界を渡り歩き、どれほどの人々と過ごしてもその結論は揺るがなかった。
彼らは正義だ、善だと綺麗事をぬかすが実際は利己のためだけに動き、保身に走り、他者のために自らを犠牲にしたりなどしない。結局はこの世界が正義や善であってほしいという願望の表れに過ぎない。
自分たちがもつ本能的な加害性には気付かず理知的な生物だと思い上がり、弱きものを蹂躙し、支配し、消費し続けている事実には目も向けない。にも関わらず、そんな奴らが好きな言葉は「仲間」、「思いやり」、「優しさ」。矛盾だらけの主張を盲目的に信仰し続けている、全ては自分だけのために。
この世界に神がいるのなら、こんな腐った世界を創りたもうた神を呪わずにはいられない。
神がいないのなら———私がこの手で、こんな世界終わらせてやるさ。
【ノクスケイデンについて】
ルクスカーデン。あれはおそらく、私の同類が建国した楽園だ。あらゆる時空、あらゆる次元とねじれの位置に存在している。腐りきったこの世界から一切の介入を遮断するためだろう。そのため、ルクスカーデンに「外」など存在しない。ルクスカーデンの端があの宇宙の端なのだ。広がりを持たない、閉じた世界で真の平穏を延々と享受し続けている。この世界とは時間の進みも空間の向きも異なる、「あの世」とそう変わりのない場所だ。
それなら私は『ノクスケイデン』を建国しよう。そこにはくだらない偽善も薄汚れた正義も存在しない。
嘘偽りのない、真実の絶望しか存在できない世界を作ってやるのだ。
【エクリプスについて】
ノケスケイデンに住まう最初の住民たちだ。私が作った。
私と同じく絶望を源とする魔術を行使する。
彼らは人の絶望を食わねば生きられず、人の絶望から個体数を増やす。放っておいても人々に絶望をもたらすだろう。
彼らも長い年月を経て環境に適応する。その流れのなかで彼らは絶望に愉悦を覚える。やがては絶望を娯楽として本能的に貪る個体で溢れかえるはずだ。
エクリプスがこの世界を満たせば、欺瞞も、驕りも、正義の味方さえも、もう存在しない世界にできる。腐った世界の破壊と、再構築が実現する。エクリプスを仲間などと思ったことはないが、その貢献には感謝している。
だが、彼らの進化は私の予想を大きく超えてきた。彼らは環境に適応する中で、絶望以外の負の感情も魔術の源として行使できるようになった。それに加え、次元跳躍の魔術を行使する個体まで出現した。これらは衝撃的だったが、不都合ではない。エクリプスの活動範囲を大きく広げてくれるだろう。
【絶望の賜主について】
私は生まれた時から不死の呪いを持っている。原理はわからないが、私の魔術ではどうあっても消すことはできない。
この世界に飽き飽きした時、真っ先に浮かんだ解放の術が自殺だった。しかし、何度実行しても魂は消えることなく、世界に残り続けた。この世界に魂を縛られている、そういう類の呪いだろう。
おかげで私は死ぬこともできず、この世界の絶望を延々と受け続け、この状況をどうにかする術を考え続けることを強要され続けた。気が狂うほどの時が流れた。
エクリプスという手段にたどり着いたおかげで、今の心持ちはそんなに悪くない。
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###### モルです。エクリプスの総統かつ、箱に絶望した者のイメージを具体化してみました。アイデアとしてどうでしょうか。
モルです。エクリプスの総統かつ、箱に絶望した者のイメージを具体化してみました。アイデアとしてどうでしょうか。
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###### ギルです。"提案:絶望の賜主"、拝見しました。先の内容でほぼ了解です。
ギルです。"提案:絶望の賜主"、拝見しました。先の内容でほぼ了解です。
あ、二点だけワガママを聞いて貰えたら…という点がありまして。頂いた提案に沿うものでなければ申し訳ないのですが…
1.絶望の賜主の呪いについて、その名称を「希望」と出来ますか?
絶望の賜主は、彼の言うところ神によるものか、或いは世界にそう位置付けられたーー即ち"希望たれと強要された"者として、超常的な力を持ち、死ぬことも困難とされたという存在というのは可能ですか?
パンドラの箱に残ったとされる希望には、人はそれに縋るしかないというニュアンスもあり、彼はその意味持たされたという感じ。
(ちなみに言いそびれていましたが、箱庭案の着想はベタにパンドラの箱から持ってきてました)
2.健人たちにヒーローごっこさせる理由を、"呪いとしての希望"の代替とさせるためと出来ますか?
彼は、人の醜悪に心身の磨耗したことに伴い、流転した末、世界を破壊し再構築しようとする。そのためにエクリプスを活動させる。ここまではよきです。
で、ここからが二つ目のワガママなのですが…
エクリプスから次元跳躍も可能な個体も出てきたように、自身の位置付けを代替し得る存在も出てきた。それが自身と同族の力を引き継ぐ心羽と健人。
エクリプスによる絶望から全ての世界を滅ぼすならよし、心羽や健人達が彼の持つ希望という名の呪いを引き継げる存在になるならそれはそれでよし。
で、閣下は彼の差し金で健人にヒーローごっこさせると。
(メタ的には、いきなりエクリプスに全力でかかられると、少なくとも健人は死ぬので、"選択肢を保存しておく"意味合いで、物語初期の段階ではエクリプスに手加減させることがまず一つ。それと、ギルとしてはもう話の作りとしてヒーローごっこ方面で走ってしまってて、これを廃するとなると、文章が大改修工事になってしまうのです)
もちろん、ここでは希望を呪いとしていますが、心羽に持たせたい救済としての希望が間違いなく本来であるとギルも思うし、思いたいです。故に、心羽は純粋に絶望にある人を救済して欲しいです。それは明記しておきますね。
それと、ここまではギルの妄想を書き連ねたところもあるので、モルが書いてもらった先の提案以上にイメージがあるなら、この二点について無理は言いません。
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モルです。ワガママ拝読しました、言ってもらえて助かります!
まず1.について。モルは“希望たれと強要された”という構図がよくわかっていません。希望という名の呪いは、具体的にどのような形で賜主を縛るのでしょうか?
また、パンドラの箱という神話をギルがどう解釈しているかはわからないけれど、「人は希望に縋るしかない」での人とは賜主のことを指しているのでしょうか、それとも賜主を前にした人々のことを指すのでしょうか? 後者だとしたら1.のワガママは難しいかもしれない、どちらにしろギルの考えを詳しく知りたいのでとりあえず1.は要相談とさせてください。
…と、ここまで書いたところで“希望たれと強要された”の意味を理解できた気がするのでモル的解釈を下に書きます、違ったら忘れてください()
これ、賜主は正義の味方という役割を押し付けられているということでしょうか? 超常的な力は正義を執行するための困難を打破するために与えられると…?
希望たれとは、すなわち治安維持装置たれということでしょうか。
もしそうなら、申し訳ないけれど1.に答えるのは厳しいです。『正義の味方や治安維持装置としての希望』は、既に物語終盤で燎星心羽が真正面から向き合う予定がありテーマ被りしてしまうのと、強要された賜主と自ら進んでその道を選ぶ燎星心羽とではバックボーンが違うために対比構造としてもうまく使えないからです。もちろん、モルの解釈があっていればの話ですが…。
2.についても、モルが“呪いとしての希望”を正しく解釈してからの話になりそうなので一旦保留とさせてください。(メタ的な話については、ブレスレットに備わる防護魔法はどんなエクリプスだろうと所持者に一切の傷をつけさせない最高水準のものという設定なので実はエクリプスに全力で来られても大丈夫なのと、ヒーローごっこについては別の目的で行う、例えば花森健人の希望から絶望への落差をより大きくするため、などが挙げられます)
それと、心羽に純粋な希望を添えてくれる気持ちは嬉しいけれど、心羽がもたらす希望は救済ではないということは明記しておきます…w
今回の件は物語の根幹にも関わる話で、なるべくお互い納得できる形にしたいのでディベートを繰り返すと思うけど、ご協力をお願いします…。
人は醜い生き物だ。
いくつの世界を渡り歩き、どれほどの人々と過ごしてもその結論は揺るがなかった。
彼らは正義だ、善だと綺麗事をぬかすが実際は利己のためだけに動き、保身に走り、他者のために自らを犠牲にしたりなどしない。結局はこの世界が正義や善であってほしいという願望の表れに過ぎない。
自分たちがもつ本能的な加害性には気付かず理知的な生物だと思い上がり、弱きものを蹂躙し、支配し、消費し続けている事実には目も向けない。にも関わらず、そんな奴らが好きな言葉は「仲間」、「思いやり」、「優しさ」。矛盾だらけの主張を盲目的に信仰し続けている、全ては自分だけのために。
この世界に神がいるのなら、こんな腐った世界を創りたもうた神を呪わずにはいられない。
神がいないのなら———私がこの手で、こんな世界終わらせてやるさ。
【ノクスケイデンについて】
ルクスカーデン。あれはおそらく、私の同類が建国した楽園だ。あらゆる時空、あらゆる次元とねじれの位置に存在している。腐りきったこの世界から一切の介入を遮断するためだろう。そのため、ルクスカーデンに「外」など存在しない。ルクスカーデンの端があの宇宙の端なのだ。広がりを持たない、閉じた世界で真の平穏を延々と享受し続けている。この世界とは時間の進みも空間の向きも異なる、「あの世」とそう変わりのない場所だ。
それなら私は『ノクスケイデン』を建国しよう。そこにはくだらない偽善も薄汚れた正義も存在しない。
嘘偽りのない、真実の絶望しか存在できない世界を作ってやるのだ。
【エクリプスについて】
ノケスケイデンに住まう最初の住民たちだ。私が作った。
私と同じく絶望を源とする魔術を行使する。
彼らは人の絶望を食わねば生きられず、人の絶望から個体数を増やす。放っておいても人々に絶望をもたらすだろう。
彼らも長い年月を経て環境に適応する。その流れのなかで彼らは絶望に愉悦を覚える。やがては絶望を娯楽として本能的に貪る個体で溢れかえるはずだ。
エクリプスがこの世界を満たせば、欺瞞も、驕りも、正義の味方さえも、もう存在しない世界にできる。腐った世界の破壊と、再構築が実現する。エクリプスを仲間などと思ったことはないが、その貢献には感謝している。
だが、彼らの進化は私の予想を大きく超えてきた。彼らは環境に適応する中で、絶望以外の負の感情も魔術の源として行使できるようになった。それに加え、次元跳躍の魔術を行使する個体まで出現した。これらは衝撃的だったが、不都合ではない。エクリプスの活動範囲を大きく広げてくれるだろう。
【絶望の賜主について】
私は生まれた時から不死の呪いを持っている。原理はわからないが、私の魔術ではどうあっても消すことはできない。
この世界に飽き飽きした時、真っ先に浮かんだ解放の術が自殺だった。しかし、何度実行しても魂は消えることなく、世界に残り続けた。この世界に魂を縛られている、そういう類の呪いだろう。
おかげで私は死ぬこともできず、この世界の絶望を延々と受け続け、この状況をどうにかする術を考え続けることを強要され続けた。気が狂うほどの時が流れた。
エクリプスという手段にたどり着いたおかげで、今の心持ちはそんなに悪くない。
モルです。エクリプスの総統かつ、箱に絶望した者のイメージを具体化してみました。アイデアとしてどうでしょうか。
ギルです。"提案:絶望の賜主"、拝見しました。先の内容でほぼ了解です。
あ、二点だけワガママを聞いて貰えたら…という点がありまして。頂いた提案に沿うものでなければ申し訳ないのですが…
1.絶望の賜主の呪いについて、その名称を「希望」と出来ますか?
絶望の賜主は、彼の言うところ神によるものか、或いは世界にそう位置付けられたーー即ち"希望たれと強要された"者として、超常的な力を持ち、死ぬことも困難とされたという存在というのは可能ですか?
パンドラの箱に残ったとされる希望には、人はそれに縋るしかないというニュアンスもあり、彼はその意味持たされたという感じ。
(ちなみに言いそびれていましたが、箱庭案の着想はベタにパンドラの箱から持ってきてました)
2.健人たちにヒーローごっこさせる理由を、"呪いとしての希望"の代替とさせるためと出来ますか?
彼は、人の醜悪に心身の磨耗したことに伴い、流転した末、世界を破壊し再構築しようとする。そのためにエクリプスを活動させる。ここまではよきです。
で、ここからが二つ目のワガママなのですが…
エクリプスから次元跳躍も可能な個体も出てきたように、自身の位置付けを代替し得る存在も出てきた。それが自身と同族の力を引き継ぐ心羽と健人。
エクリプスによる絶望から全ての世界を滅ぼすならよし、心羽や健人達が彼の持つ希望という名の呪いを引き継げる存在になるならそれはそれでよし。
で、閣下は彼の差し金で健人にヒーローごっこさせると。
(メタ的には、いきなりエクリプスに全力でかかられると、少なくとも健人は死ぬので、"選択肢を保存しておく"意味合いで、物語初期の段階ではエクリプスに手加減させることがまず一つ。それと、ギルとしてはもう話の作りとしてヒーローごっこ方面で走ってしまってて、これを廃するとなると、文章が大改修工事になってしまうのです)
もちろん、ここでは希望を呪いとしていますが、心羽に持たせたい救済としての希望が間違いなく本来であるとギルも思うし、思いたいです。故に、心羽は純粋に絶望にある人を救済して欲しいです。それは明記しておきますね。
それと、ここまではギルの妄想を書き連ねたところもあるので、モルが書いてもらった先の提案以上にイメージがあるなら、この二点について無理は言いません。
モルです。ワガママ拝読しました、言ってもらえて助かります!
まず1.について。モルは“希望たれと強要された”という構図がよくわかっていません。希望という名の呪いは、具体的にどのような形で賜主を縛るのでしょうか?
また、パンドラの箱という神話をギルがどう解釈しているかはわからないけれど、「人は希望に縋るしかない」での人とは賜主のことを指しているのでしょうか、それとも賜主を前にした人々のことを指すのでしょうか? 後者だとしたら1.のワガママは難しいかもしれない、どちらにしろギルの考えを詳しく知りたいのでとりあえず1.は要相談とさせてください。
…と、ここまで書いたところで“希望たれと強要された”の意味を理解できた気がするのでモル的解釈を下に書きます、違ったら忘れてください()
これ、賜主は正義の味方という役割を押し付けられているということでしょうか? 超常的な力は正義を執行するための困難を打破するために与えられると…?
希望たれとは、すなわち治安維持装置たれということでしょうか。
もしそうなら、申し訳ないけれど1.に答えるのは厳しいです。『正義の味方や治安維持装置としての希望』は、既に物語終盤で燎星心羽が真正面から向き合う予定がありテーマ被りしてしまうのと、強要された賜主と自ら進んでその道を選ぶ燎星心羽とではバックボーンが違うために対比構造としてもうまく使えないからです。もちろん、モルの解釈があっていればの話ですが…。
2.についても、モルが“呪いとしての希望”を正しく解釈してからの話になりそうなので一旦保留とさせてください。(メタ的な話については、ブレスレットに備わる防護魔法はどんなエクリプスだろうと所持者に一切の傷をつけさせない最高水準のものという設定なので実はエクリプスに全力で来られても大丈夫なのと、ヒーローごっこについては別の目的で行う、例えば花森健人の希望から絶望への落差をより大きくするため、などが挙げられます)
それと、心羽に純粋な希望を添えてくれる気持ちは嬉しいけれど、心羽がもたらす希望は救済ではないということは明記しておきます…w
今回の件は物語の根幹にも関わる話で、なるべくお互い納得できる形にしたいのでディベートを繰り返すと思うけど、ご協力をお願いします…。