モルによる提案:絶望の賜主 version 1
モルによる提案:絶望の賜主
人は醜い生き物だ。
いくつの世界を渡り歩き、どれほどの人々と過ごしてもその結論は揺るがなかった。
彼らは正義だ、善だと綺麗事をぬかすが実際は利己のためだけに動き、保身に走り、他者のために自らを犠牲にしたりなどしない。結局はこの世界が正義や善であってほしいという願望の表れに過ぎない。
自分たちがもつ本能的な加害性には気付かず理知的な生物だと思い上がり、弱きものを蹂躙し、支配し、消費し続けている事実には目も向けない。にも関わらず、そんな奴らが好きな言葉は「仲間」、「思いやり」、「優しさ」。矛盾だらけの主張を盲目的に信仰し続けている、全ては自分だけのために。
この世界に神がいるのなら、こんな腐った世界を創りたもうた神を呪わずにはいられない。
神がいないのなら———私がこの手で、こんな世界終わらせてやるさ。
【ノクスケイデンについて】
ルクスカーデン。あれはおそらく、私の同類が建国した楽園だ。あらゆる時空、あらゆる次元とねじれの位置に存在している。腐りきったこの世界から一切の介入を遮断するためだろう。そのため、ルクスカーデンに「外」など存在しない。ルクスカーデンの端があの宇宙の端なのだ。広がりを持たない、閉じた世界で真の平穏を延々と享受し続けている。この世界とは時間の進みも空間の向きも異なる、「あの世」とそう変わりのない場所だ。
それなら私は『ノクスケイデン』を建国しよう。そこにはくだらない偽善も薄汚れた正義も存在しない。
嘘偽りのない、真実の絶望しか存在できない世界を作ってやるのだ。
【エクリプスについて】
ノケスケイデンに住まう最初の住民たちだ。私が作った。
私と同じく絶望を源とする魔術を行使する。
彼らは人の絶望を食わねば生きられず、人の絶望から個体数を増やす。放っておいても人々に絶望をもたらすだろう。
彼らも長い年月を経て環境に適応する。その流れのなかで彼らは絶望に愉悦を覚える。やがては絶望を娯楽として本能的に貪る個体で溢れかえるはずだ。
エクリプスがこの世界を満たせば、欺瞞も、驕りも、正義の味方さえも、もう存在しない世界にできる。腐った世界の破壊と、再構築が実現する。エクリプスを仲間などと思ったことはないが、その貢献には感謝している。
だが、彼らの進化は私の予想を大きく超えてきた。彼らは環境に適応する中で、絶望以外の負の感情も魔術の源として行使できるようになった。それに加え、次元跳躍の魔術を行使する個体まで出現した。これらは衝撃的だったが、不都合ではない。エクリプスの活動範囲を大きく広げてくれるだろう。
【絶望の賜主について】
私は生まれた時から不死の呪いを持っている。原理はわからないが、私の魔術ではどうあっても消すことはできない。
この世界に飽き飽きした時、真っ先に浮かんだ解放の術が自殺だった。しかし、何度実行しても魂は消えることなく、世界に残り続けた。この世界に魂を縛られている、そういう類の呪いだろう。
おかげで私は死ぬこともできず、この世界の絶望を延々と受け続け、この状況をどうにかする術を考え続けることを強要され続けた。気が狂うほどの時が流れた。
エクリプスという手段にたどり着いたおかげで、今の心持ちはそんなに悪くない。
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###### モルです。エクリプスの総統かつ、箱に絶望した者のイメージを具体化してみました。アイデアとしてどうでしょうか。
人は醜い生き物だ。
いくつの世界を渡り歩き、どれほどの人々と過ごしてもその結論は揺るがなかった。
彼らは正義だ、善だと綺麗事をぬかすが実際は利己のためだけに動き、保身に走り、他者のために自らを犠牲にしたりなどしない。結局はこの世界が正義や善であってほしいという願望の表れに過ぎない。
自分たちがもつ本能的な加害性には気付かず理知的な生物だと思い上がり、弱きものを蹂躙し、支配し、消費し続けている事実には目も向けない。にも関わらず、そんな奴らが好きな言葉は「仲間」、「思いやり」、「優しさ」。矛盾だらけの主張を盲目的に信仰し続けている、全ては自分だけのために。
この世界に神がいるのなら、こんな腐った世界を創りたもうた神を呪わずにはいられない。
神がいないのなら———私がこの手で、こんな世界終わらせてやるさ。
【ノクスケイデンについて】
ルクスカーデン。あれはおそらく、私の同類が建国した楽園だ。あらゆる時空、あらゆる次元とねじれの位置に存在している。腐りきったこの世界から一切の介入を遮断するためだろう。そのため、ルクスカーデンに「外」など存在しない。ルクスカーデンの端があの宇宙の端なのだ。広がりを持たない、閉じた世界で真の平穏を延々と享受し続けている。この世界とは時間の進みも空間の向きも異なる、「あの世」とそう変わりのない場所だ。
それなら私は『ノクスケイデン』を建国しよう。そこにはくだらない偽善も薄汚れた正義も存在しない。
嘘偽りのない、真実の絶望しか存在できない世界を作ってやるのだ。
【エクリプスについて】
ノケスケイデンに住まう最初の住民たちだ。私が作った。
私と同じく絶望を源とする魔術を行使する。
彼らは人の絶望を食わねば生きられず、人の絶望から個体数を増やす。放っておいても人々に絶望をもたらすだろう。
彼らも長い年月を経て環境に適応する。その流れのなかで彼らは絶望に愉悦を覚える。やがては絶望を娯楽として本能的に貪る個体で溢れかえるはずだ。
エクリプスがこの世界を満たせば、欺瞞も、驕りも、正義の味方さえも、もう存在しない世界にできる。腐った世界の破壊と、再構築が実現する。エクリプスを仲間などと思ったことはないが、その貢献には感謝している。
だが、彼らの進化は私の予想を大きく超えてきた。彼らは環境に適応する中で、絶望以外の負の感情も魔術の源として行使できるようになった。それに加え、次元跳躍の魔術を行使する個体まで出現した。これらは衝撃的だったが、不都合ではない。エクリプスの活動範囲を大きく広げてくれるだろう。
【絶望の賜主について】
私は生まれた時から不死の呪いを持っている。原理はわからないが、私の魔術ではどうあっても消すことはできない。
この世界に飽き飽きした時、真っ先に浮かんだ解放の術が自殺だった。しかし、何度実行しても魂は消えることなく、世界に残り続けた。この世界に魂を縛られている、そういう類の呪いだろう。
おかげで私は死ぬこともできず、この世界の絶望を延々と受け続け、この状況をどうにかする術を考え続けることを強要され続けた。気が狂うほどの時が流れた。
エクリプスという手段にたどり着いたおかげで、今の心持ちはそんなに悪くない。
モルです。エクリプスの総統かつ、箱に絶望した者のイメージを具体化してみました。アイデアとしてどうでしょうか。