No.3 1/3 version 17
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No.3 1/2
2020年4月16日、木曜日。花森剣人が目を冷ますと、まず視界に入ってきたのは清潔感を感じさせる白い天井だった。ここは…どこ?続いて感じたのは手に感じる柔らかな温み。まだ半開きの目線が、その温みを辿る。そこには疲れた顔で眠っている母ーーー純子(すみこ)の姿があった。
「…母…さん?」
「…けん…?…けん…!よかった…」
母の頬が涙で濡れる。ああ…また泣かせてしまった…幼いころから不登校だったことから、苦労をかけてしまったと思う故か、母の泣き顔には罪悪感をどうにも感じてしまう。
「ごめんね」
だから、最初に出てきたのは謝罪の言葉だった。
「…ううん、心配だったけど無事でよかった。大変だったね」
大変だった…確かにその通りだ。しかしその言葉に、母には自分に何があったかが、どう伝わっているのだろうと思った。あの場面に居たのは自分と、あの異形の烏だけ。説明してくれる人物は居なかったのだから。
「」
医療法人陽生会明星病院にある第一外科病棟のベッドの上で目を覚ました。
2020年4月16日、木曜日。花森剣人が目を冷ますと、まず視界に入ってきたのは清潔感を感じさせる白い天井だった。ここは…どこ?続いて感じたのは手に感じる柔らかな温み。まだ半開きの目線が、その温みを辿る。そこには疲れた顔で眠っている母ーーー純子(すみこ)の姿があった。
「…母…さん?」
「…けん…?…けん…!よかった…」
母の頬が涙で濡れる。ああ…また泣かせてしまった…幼いころから不登校だったことから、苦労をかけてしまったと思う故か、母の泣き顔には罪悪感をどうにも感じてしまう。
「ごめんね」
だから、最初に出てきたのは謝罪の言葉だった。
「…ううん、心配だったけど無事でよかった。大変だったね」
大変だった…確かにその通りだ。しかしその言葉に、母には自分に何があったかが、どう伝わっているのだろうと思った。あの場面に居たのは自分と、あの異形の烏だけ。説明してくれる人物は居なかったのだから。
「」
医療法人陽生会明星病院にある第一外科病棟のベッドの上で目を覚ました。