11.謝罪と相談 version 2

2024/03/10 16:56 by someone
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白紙のページ11.

翌々日の5月18日、午後17時16分。桧山初樹と上坂蓉子は朝憬市立病院を訪ねていた。当初は二人とも気が気ではなかった。蓉子からの情報では、公的機関の人間達は自分たちの活動を静観している。しかし変身する特異体質、人知を越えた情報をその身に内包した花森健人を、彼らが見す見す放っておくのか。そんな想像が頭からこびりついて離れなかった。
そんな中、17日の夕方に初樹のスマートフォンに健人からの連絡が入り、彼は慌てて電話を取った。
「もしもし、花っちか!?」
「ああ、ハッサン…無事か?」
「ああ!花っちは、大丈夫か?」
「うん」
床の人であろう健人の返事を受けながら、初樹はどこか自分の方が狼狽していることを自覚し、またそれをおかしく思う。だがそれより、友を案じる思いに口が勝手に動いた。
「何か変なことされてないか?人体実験とか…!」
「大丈夫。敢えてそういう話は、病院に伝わってはないみたい」
一先ずの安堵に胸を撫で下ろすと共に、気が付けば初樹はしゃくりあげて泣いていた。
「…悪いな」
「何で花っちが謝るんだよ」
「なんでかな?ははっ」
その声音から、電話の向こうで健人もまた少し涙ぐんでいることを、初樹もまた理解する。だからこそ、次に伝える言葉はすぐに口から溢れ出た。
「花っち…ありがとう」
「…うん」
      

翌々日の5月18日、午後17時16分。桧山初樹と上坂蓉子は朝憬市立病院を訪ねていた。当初は二人とも気が気ではなかった。蓉子からの情報では、公的機関の人間達は自分たちの活動を静観している。しかし変身する特異体質、人知を越えた情報をその身に内包した花森健人を、彼らが見す見す放っておくのか。そんな想像が頭からこびりついて離れなかった。
そんな中、17日の夕方に初樹のスマートフォンに健人からの連絡が入り、彼は慌てて電話を取った。
「もしもし、花っちか!?」
「ああ、ハッサン…無事か?」
「ああ!花っちは、大丈夫か?」
「うん」
床の人であろう健人の返事を受けながら、初樹はどこか自分の方が狼狽していることを自覚し、またそれをおかしく思う。だがそれより、友を案じる思いに口が勝手に動いた。
「何か変なことされてないか?人体実験とか…!」
「大丈夫。敢えてそういう話は、病院に伝わってはないみたい」
一先ずの安堵に胸を撫で下ろすと共に、気が付けば初樹はしゃくりあげて泣いていた。
「…悪いな」
「何で花っちが謝るんだよ」
「なんでかな?ははっ」
その声音から、電話の向こうで健人もまた少し涙ぐんでいることを、初樹もまた理解する。だからこそ、次に伝える言葉はすぐに口から溢れ出た。
「花っち…ありがとう」
「…うん」