燎星心羽は本来、この世界には存在しなかった。
本来の燎星心羽には家族がいた。
燎星心羽は自らの宿命を知り、深い絶望に落ちた。
燎星心羽は自らの記憶を消去し、彼女の人格は世界から完全に消滅した。
今そこにいる燎星心羽は、彼女の抜け殻に宿った新たな人格。
使命を知られてはいけない。
宿命に気付かれてはいけない。
彼女が星空になるのを見送るまで。