大枠、設定等の文章化3 version 16

2024/12/29 19:11 by someone
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大枠、設定等の文章化3
 17.「彼の者の精神は強い興奮状態にある。大筋としては予測通りか」
17.「彼の者の精神は強い興奮状態にある。大筋としては予測通りか」
「そうね、お陰で私は特に彼の怒りを買った訳だけど」
エクリプスと情報共有するバベル(セブンスの参謀的存在。金色の龍モチーフ)に、アゼリアが皮肉を言った。
「それに関しては君を全力で守ると約束しよう。同胞として誓う」
「助かる。後は、あの母親を生かさず殺さずってところ?」
助かる。後は、あの母親を生かさず殺さずってところ?」
「ああ、彼の絶望をより育てるためにな。展開次第では母親を殺めてもいいが、君の毒の遠隔操作が鍵になる」
「…悪どい話ね」
「そうだな。少なくとも知性体の思考としてはそうなるのだろう」
互いに一つ、息を吐く。他を侵し合う人間、知性体の望みを絶つこと。そのための絶望、そのためのエクリプス。そしてそう名付けられた自身らの生存本能と欲求。一方で、自己矛盾を否応なしに突きつけられる。他害し合う生命の仕組みを嫌悪し、その破壊を目指す中にあって、自身らもまた他を害すべくこうした悪どい策を講じる。罪など考える気にもならないが、この閉塞感には酷く頭が痛む。我らが主も、かつてはこの自己矛盾の中にあったのだろうか。
「だが一先ずは、確実な状況のコントロールを重視したと解釈してほしい」
「まあいいわ。それで、この後の誘導には誰を回す?」
「ゼンに任せた。単体の戦闘力では我々の中で最も秀でているからな」
「そう。まあ私たち全員の生存確率を考えるなら、理解は出来る」

18.その日の深夜、レガリアの力に対する解像度が上がった花森健人は、尚も自身を追跡していたルドル(コンドルモチーフのエクリプス)の存在を逆にサーチしてこれを追い詰め、そして迫る。
「こっちから出向くわ。お前らのアジトはどこだ?」
そこに仲間を思ったゼン(甲殻宿したタイタンモチーフ)が介入。健人はゼンの作ったフォースフィールドへ連れ込まれ、そのままゼンとルドルを相手に交戦。
「一つ教えておいてあげるよ、花森健人。君の母親の生殺与奪は僕らの手にある」
「お前ら…!殺されたくなかったら解毒しーー」
「君こそ母親を殺されたくなかったら、"大人しく"、我々の下に来てもらえないかな?僕らはあんな命、すぐに奪える」
「ざけんなよ、おい!!」
「そう囀ずらないでよ。ねえアゼリア、聞こえるだろう?いつだって殺れるよねえ?」
「…いいわ、あなたのパフォーマンスに使われてあげる。花森健人、彼の言っていることは事実よ。私の毒は、遠隔操作が可能」
「そういうこと。分かったら同行頂けるかな?君のせいで、お母さん死んじゃうよ?」
その言葉への憤怒に身が震えるも、健人はこの時武器を下ろすしかなかった。そして無抵抗の健人は、ゼンによって昏倒させられた。

19.その後、桧山初樹は健人を追っていた。小さい姿であっても、竜戦士の感覚器官が健人達の交戦跡ーーある廃ビルのカルナや魔術の痕跡を辿る。
「間違いない、花っちはここに居た」
負傷の身ではあるが、いち早く健人と合流しなければ。怒りに駆られた彼では、敵の術中に嵌まることも十二分に予見された。そして魔術は確かにこの廃ビルで感知していたが、以降は竜が辺りを探ってもそれ以上の痕跡は出てこない。遂に竜は初樹の下に戻って頭を振った。
「…あの結界に連れ込まれたか?もしそうなら」
苦悶の表情を浮かべながらも、初樹は必死で考えを巡らせる。やがて脳裏を過るは以前の記憶。結界の向こうに居た健人や敵の存在を認識出来なかった事実。だがそれを内側から破った竜の咆哮。であるならば、健人が尚も踏み留まり、その発想に至っているかに掛けるしかないがーー
「ドラゴン、敵の力の痕跡はいい。花っちのブレスレットの反応に意識を集中させてくれ」
即座に竜が初樹を見遣る。眉根を寄せるその様から、意図を図りかねていることが読み取れた。
「いいか?お前はあのブレスレットと、花っちの空想から生まれた。そのお前は結界を突破することが可能。なら花っちもやろうと思えば、結界の外に力を伝えられる可能性はある。それを探って欲しい。頼む」
初樹は説明に竜は力強く頷き、すぐに念じるように目を閉じた。

20.その時、花森健人の意識は夢の内にあった。それはいつか、展望台で赤髪の少女と独り言を交わした記憶。現実への無力感がそれを手繰り寄せたのか、不可解ながらもただ思い出に身を委ねようとする。だが赤髪の少女との語らう内に、もう一人の友の存在を思い返す。その時、ブレスレットが光を発した。

やがて、健人の意識は現実ーー暗い世界の中、目を開くという忌々しさに向かわざるを得なかった。目の前に居たのはセブンスの面々。皆、エクリプスとしての姿に変身している。
「うぅっ!!ううぅぅーー!!」
言葉にならない唸り声を上げ、その狂乱のままにセブンスに襲いかかろうとするも、健人は厳重に魔術で拘束されていた。その抵抗に身体が軋む。口を開くことも叶わない。
「まるで獣ですね」
「既存の生命というのはそういうものだ」
「知性体となれば、ある種尚更か」
「だがこの行為も、命の醜悪さも、毎度胸が悪くなる」
「…吐きそうだね」
加害者の癖に異形の汚物どもが何か言っている。半端に高尚ぶった物言いをする口を、今すぐ潰し、引き裂いてやりたかった。殺してやる。一匹残らず。
「さて、花森健人。早速だが我々は君と交渉したい」
バベルがその低い声を発し、健人に向けて口の拘束魔術を解きながら語りかけた。
「絶望に染まった君の魂…我らに捧げてくれないか?なるべく簡単に言うなら、花森健人としては死んで欲しい」
「訳がわかんねえ、まともな説明もないうちに…!」
その芝居がかった言い方が癪に障る。交渉も何もない。健人は尚も殺意を以てバベルを睨み付けるも、バベルはそれを意に介することなく続けた。
「これは困った。ここで頷いてくれれば、君の母は助かるのだがね…アゼリア」
それもそうだが、これは困った。ここで頷いてくれれば、君の母は助かるのだがね…アゼリア」
バベルが指を鳴らす。直後にアゼリアが右腕を暗く光らせ、これを掌に収束させる。
「彼女が毒の術式を解き放てば、後はわかるね?」
瞬間、恐怖に突き動かされた。何としてもその喪失は回避せねばならなかった。故にーー。
「殺せよ」
その言葉は即座に口を突いて出た。

21.「では、君の命を絶望に堕とし、頂くとしよう」
バベルの号令に、セブンス達は全員でその魔術を発する。対象者の心を絶望と共に食すためのそれは、セブンス達の足元に魔方陣が形成させた。その光景は、皮肉にも食卓を囲う家族のように健人には錯覚された。死の間際、それこそこの絶望的状況に気でも触れたか。いっそその方がマシだろうか。誰かがこんな思いをするよりは。そうして目を伏せようとした時だった。
 瞬間、竜戦士の咆哮が響いた。それは空間を突き破り、竜と初樹が躍り出る。同時に強く吐かれた火炎は、セブンス達数名に一撃を与え、アゼリアは腕に火傷を負った。
「ハッさん!」
「させるかよ!これ以上!!」
「持ってかせるかよ!これ以上!!」
そう叫んだ初樹が竜と共に健人の下に駆け寄る。そして竜の爪が魔術による拘束を切り裂いた。
「悪い」
「…いいよ。いけるか?」
「ああ」
健人と初樹、そして竜はそのまま背中合わせに、セブンスと対峙する。
「招かれざる客だ」
「まさかここを嗅ぎ付けるなんてね」
不遜にいい放つエヴルアとゼン。しかし彼らにとって今何より注目すべきは、アゼリアの負傷。
「やられた…私の腕が!」
「よくもやった!警備は何をしていたの!?」
ミレット(人魚モチーフ)が怒りに強く水流を放ち、影魔を喚ぶ。
「ミレット!独断で動くな!」
ゾルドーがそれを舌打ち混じりに諌めるも、既に彼女は健人たちに突撃していた。その場に居たセブンスはこの
不測の事態に慌てて連携を取る。
「ルスト、ゼン。アゼリアを連れて退け!エヴルア、ゾルドー、私も加わる。彼らを逃がすな!」
「逃げるなクソ妖精!」
「花っち!」
撤退するアゼリアを追おうと駆け出す健人。しかし眼前に迫るミレットに妨害され、そのままアゼリアはルスト、ゼンと共に闇色の靄の向こうに消えた。
「そうはしゃがないでよ、カラスさん。その薄汚さ、私が洗ってあげるから」
方や外連味混じりに、方やその激情のままに、怒りが交錯していた。

22.「今は脱出だ、花っち!」
「けど…!」
「死んだら助けられない!今は!」
その初樹の叫びと迫る敵の攻撃。それが健人に現実を教える。毒を操るアゼリアの腕を負傷させ、彼女の反応は深刻なものだった。そして敵はアゼリアを戦力を半減させ、かつシンプルに実力を行使してきた。すぐに毒で母を死に至らしめずに。
「ハッさん、敵は任せろ!ドラゴンに叫ばーー」
「冗談ではないよ!」
瞬間、バベルが熱線を発して健人にぶつけ、健人の盾を弾く。そこにミレットが健人を切り裂かんと高圧の水流を繰り出した。間一髪でそれを避けるも、その足元にバベルが龍を象った魔術を出した。龍の魔術は健人に巻き付き、その身を攻撃する。すぐに初樹と竜戦士が駆けつけてこれを祓うも、エヴルアとゾルドーもそこに追撃を仕掛ける。その時、竜が健人と初樹を守らんとセブンス4人の攻撃を全て受けた。
「ドラゴン!」
そこには竜が小さくなった姿で倒れていた。







この後、健人も解放されるもドラゴンは時間制限で活動困難に。そのため今度は健人が初樹を助ける。
また、アゼリアの毒の器官に傷を負わせたことで
事態を膠着させる      

17.「彼の者の精神は強い興奮状態にある。大筋としては予測通りか」
「そうね、お陰で私は特に彼の怒りを買った訳だけど」
エクリプスと情報共有するバベル(セブンスの参謀的存在。金色の龍モチーフ)に、アゼリアが皮肉を言った。
「それに関しては君を全力で守ると約束しよう。同胞として誓う」
「…助かる。後は、あの母親を生かさず殺さずってところ?」
「ああ、彼の絶望をより育てるためにな。展開次第では母親を殺めてもいいが、君の毒の遠隔操作が鍵になる」
「…悪どい話ね」
「そうだな。少なくとも知性体の思考としてはそうなるのだろう」
互いに一つ、息を吐く。他を侵し合う人間、知性体の望みを絶つこと。そのための絶望、そのためのエクリプス。そしてそう名付けられた自身らの生存本能と欲求。一方で、自己矛盾を否応なしに突きつけられる。他害し合う生命の仕組みを嫌悪し、その破壊を目指す中にあって、自身らもまた他を害すべくこうした悪どい策を講じる。罪など考える気にもならないが、この閉塞感には酷く頭が痛む。我らが主も、かつてはこの自己矛盾の中にあったのだろうか。
「だが一先ずは、確実な状況のコントロールを重視したと解釈してほしい」
「まあいいわ。それで、この後の誘導には誰を回す?」
「ゼンに任せた。単体の戦闘力では我々の中で最も秀でているからな」
「そう。まあ私たち全員の生存確率を考えるなら、理解は出来る」

18.その日の深夜、レガリアの力に対する解像度が上がった花森健人は、尚も自身を追跡していたルドル(コンドルモチーフのエクリプス)の存在を逆にサーチしてこれを追い詰め、そして迫る。
「こっちから出向くわ。お前らのアジトはどこだ?」
そこに仲間を思ったゼン(甲殻宿したタイタンモチーフ)が介入。健人はゼンの作ったフォースフィールドへ連れ込まれ、そのままゼンとルドルを相手に交戦。
「一つ教えておいてあげるよ、花森健人。君の母親の生殺与奪は僕らの手にある」
「お前ら…!殺されたくなかったら解毒しーー」
「君こそ母親を殺されたくなかったら、"大人しく"、我々の下に来てもらえないかな?僕らはあんな命、すぐに奪える」
「ざけんなよ、おい!!」
「そう囀ずらないでよ。ねえアゼリア、聞こえるだろう?いつだって殺れるよねえ?」
「…いいわ、あなたのパフォーマンスに使われてあげる。花森健人、彼の言っていることは事実よ。私の毒は、遠隔操作が可能」
「そういうこと。分かったら同行頂けるかな?君のせいで、お母さん死んじゃうよ?」
その言葉への憤怒に身が震えるも、健人はこの時武器を下ろすしかなかった。そして無抵抗の健人は、ゼンによって昏倒させられた。

19.その後、桧山初樹は健人を追っていた。小さい姿であっても、竜戦士の感覚器官が健人達の交戦跡ーーある廃ビルのカルナや魔術の痕跡を辿る。
「間違いない、花っちはここに居た」
負傷の身ではあるが、いち早く健人と合流しなければ。怒りに駆られた彼では、敵の術中に嵌まることも十二分に予見された。そして魔術は確かにこの廃ビルで感知していたが、以降は竜が辺りを探ってもそれ以上の痕跡は出てこない。遂に竜は初樹の下に戻って頭を振った。
「…あの結界に連れ込まれたか?もしそうなら」
苦悶の表情を浮かべながらも、初樹は必死で考えを巡らせる。やがて脳裏を過るは以前の記憶。結界の向こうに居た健人や敵の存在を認識出来なかった事実。だがそれを内側から破った竜の咆哮。であるならば、健人が尚も踏み留まり、その発想に至っているかに掛けるしかないがーー
「ドラゴン、敵の力の痕跡はいい。花っちのブレスレットの反応に意識を集中させてくれ」
即座に竜が初樹を見遣る。眉根を寄せるその様から、意図を図りかねていることが読み取れた。
「いいか?お前はあのブレスレットと、花っちの空想から生まれた。そのお前は結界を突破することが可能。なら花っちもやろうと思えば、結界の外に力を伝えられる可能性はある。それを探って欲しい。頼む」
初樹は説明に竜は力強く頷き、すぐに念じるように目を閉じた。

20.その時、花森健人の意識は夢の内にあった。それはいつか、展望台で赤髪の少女と独り言を交わした記憶。現実への無力感がそれを手繰り寄せたのか、不可解ながらもただ思い出に身を委ねようとする。だが赤髪の少女との語らう内に、もう一人の友の存在を思い返す。その時、ブレスレットが光を発した。

やがて、健人の意識は現実ーー暗い世界の中、目を開くという忌々しさに向かわざるを得なかった。目の前に居たのはセブンスの面々。皆、エクリプスとしての姿に変身している。
「うぅっ!!ううぅぅーー!!」
言葉にならない唸り声を上げ、その狂乱のままにセブンスに襲いかかろうとするも、健人は厳重に魔術で拘束されていた。その抵抗に身体が軋む。口を開くことも叶わない。
「まるで獣ですね」
「既存の生命というのはそういうものだ」
「知性体となれば、ある種尚更か」
「だがこの行為も、命の醜悪さも、毎度胸が悪くなる」
「…吐きそうだね」
加害者の癖に異形の汚物どもが何か言っている。半端に高尚ぶった物言いをする口を、今すぐ潰し、引き裂いてやりたかった。殺してやる。一匹残らず。
「さて、花森健人。早速だが我々は君と交渉したい」
バベルがその低い声を発し、健人に向けて口の拘束魔術を解きながら語りかけた。
「絶望に染まった君の魂…我らに捧げてくれないか?なるべく簡単に言うなら、花森健人としては死んで欲しい」
「訳がわかんねえ、まともな説明もないうちに…!」
その芝居がかった言い方が癪に障る。交渉も何もない。健人は尚も殺意を以てバベルを睨み付けるも、バベルはそれを意に介することなく続けた。
「それもそうだが、これは困った。ここで頷いてくれれば、君の母は助かるのだがね…アゼリア」
バベルが指を鳴らす。直後にアゼリアが右腕を暗く光らせ、これを掌に収束させる。
「彼女が毒の術式を解き放てば、後はわかるね?」
瞬間、恐怖に突き動かされた。何としてもその喪失は回避せねばならなかった。故にーー。
「殺せよ」
その言葉は即座に口を突いて出た。

21.「では、君の命を絶望に堕とし、頂くとしよう」
バベルの号令に、セブンス達は全員でその魔術を発する。対象者の心を絶望と共に食すためのそれは、セブンス達の足元に魔方陣が形成させた。その光景は、皮肉にも食卓を囲う家族のように健人には錯覚された。死の間際、それこそこの絶望的状況に気でも触れたか。いっそその方がマシだろうか。誰かがこんな思いをするよりは。そうして目を伏せようとした時だった。
 瞬間、竜戦士の咆哮が響いた。それは空間を突き破り、竜と初樹が躍り出る。同時に強く吐かれた火炎は、セブンス達数名に一撃を与え、アゼリアは腕に火傷を負った。
「ハッさん!」
「持ってかせるかよ!これ以上!!」
そう叫んだ初樹が竜と共に健人の下に駆け寄る。そして竜の爪が魔術による拘束を切り裂いた。
「悪い」
「…いいよ。いけるか?」
「ああ」
健人と初樹、そして竜はそのまま背中合わせに、セブンスと対峙する。
「招かれざる客だ」
「まさかここを嗅ぎ付けるなんてね」
不遜にいい放つエヴルアとゼン。しかし彼らにとって今何より注目すべきは、アゼリアの負傷。
「やられた…私の腕が!」
「よくもやった!警備は何をしていたの!?」
ミレット(人魚モチーフ)が怒りに強く水流を放ち、影魔を喚ぶ。
「ミレット!独断で動くな!」
ゾルドーがそれを舌打ち混じりに諌めるも、既に彼女は健人たちに突撃していた。その場に居たセブンスはこの
不測の事態に慌てて連携を取る。
「ルスト、ゼン。アゼリアを連れて退け!エヴルア、ゾルドー、私も加わる。彼らを逃がすな!」
「逃げるなクソ妖精!」
「花っち!」
撤退するアゼリアを追おうと駆け出す健人。しかし眼前に迫るミレットに妨害され、そのままアゼリアはルスト、ゼンと共に闇色の靄の向こうに消えた。
「そうはしゃがないでよ、カラスさん。その薄汚さ、私が洗ってあげるから」
方や外連味混じりに、方やその激情のままに、怒りが交錯していた。

22.「今は脱出だ、花っち!」
「けど…!」
「死んだら助けられない!今は!」
その初樹の叫びと迫る敵の攻撃。それが健人に現実を教える。毒を操るアゼリアの腕を負傷させ、彼女の反応は深刻なものだった。そして敵はアゼリアを戦力を半減させ、かつシンプルに実力を行使してきた。すぐに毒で母を死に至らしめずに。
「ハッさん、敵は任せろ!ドラゴンに叫ばーー」
「冗談ではないよ!」
瞬間、バベルが熱線を発して健人にぶつけ、健人の盾を弾く。そこにミレットが健人を切り裂かんと高圧の水流を繰り出した。間一髪でそれを避けるも、その足元にバベルが龍を象った魔術を出した。龍の魔術は健人に巻き付き、その身を攻撃する。すぐに初樹と竜戦士が駆けつけてこれを祓うも、エヴルアとゾルドーもそこに追撃を仕掛ける。その時、竜が健人と初樹を守らんとセブンス4人の攻撃を全て受けた。
「ドラゴン!」
そこには竜が小さくなった姿で倒れていた。

この後、健人も解放されるもドラゴンは時間制限で活動困難に。そのため今度は健人が初樹を助ける。
また、アゼリアの毒の器官に傷を負わせたことで
事態を膠着させる