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モルの手記⑦
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「うん!じゃあ、またね」 そう言って走り去る彼女を見送って一息着こうとしたその時。ひとひらの雪が微弱な風に煽られながら、剣人の目の前を落ちていく。 ふと上を見上げると、粉雪が陽の光に反射してキラキラと光りながら剣人の周囲を舞い、地面に落ちて消えていった。 ……ん? 待てよ、今は7月。耳をすませば遠くで蝉が鳴いている。異常気象だとしても、真夏に雪が降るなど有り得るのだろうか。それに、今日は曇天。太陽の光なんてどこにもないのだから、反射してキラキラするはずもない。 そもそも、降っていたのは時間にして数秒。気付いて見上げたら次の瞬間には止んでいた。 疲れているのか…?暑さにやられて、涼しげな雪を脳が欲しがっているのかもしれない。曇りだからって熱中症になる危険もある。帰ってしっかり休養をとろう。 ——————————————————————————————
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