--- Title: 『リーテンリュースの蛍夜』2章プレイング ルメル(h01485) Author: mellm7493 Web: https://mimemo.io/m/9ON1lXR8r9GLrAD --- 絶奈ちゃん(h00674)と ふふ、喜んでもらえて良かった~。…なあんて。僕もこれほどの場所だなんて、思ってもみなかったんだけれどねえ。 そんなに気に入ったんなら、また来れば良いよ~。今度は皆とでも、また二人でも。 これは……すごいな。…水底で仄かに光る石…あれが月響珠、かなあ? それなら、「今」の音を残せば良いんじゃないかな~。絶奈ちゃんの歌声だったら僕、大事にとっとくよお。 手にした月響珠はひとつ。遠い記憶を手繰り寄せながら、そっと拾い上げる。 耳を寄せれば穏やかで品のある男性の声が響く。もう二度と会うことは叶わない、かつての師の声。 『さあ、スープをよそっておくれ。……ああ、調味料には決して触れぬように。』 ………し……しょ…、……ッ…。 ……、……ん~ん、なんでもなあい。気になるなら聴いてみる~? 別になんてことない…ただの、古い記憶だよ。 いつものように柔らかな笑みを浮かべながら、絶奈へ月響珠を手渡し背を向ける。 その瞳が僅かに揺らいでいたように見えたのはきっと、水面に反射した月明かりのせいだろう。 **※450文字**