ミーナの冒険 version 27

2025/03/12 23:48 by mi-komemo1d
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ミーナの冒険
0話
「⋯⋯」
 揺れる小さな馬車の隅で少女は妹と丸くなって座っていた。
 大きな荷物を抱きかかえてフードを深くかぶる妹を隠すようにしてじっと、もう見えなくなった村の方を見ている。いつ村に帰るのか、どこに向かうのかも分からない旅路の幕開けにどうしようもない不安を胸に、少女は今までの日常を思い返していた。

1話 ミーナの日常
 箱庭イクセト最北の小さな島国サチヌにある〝最北の村〟ことカシツネ村。雪解けが終わる頃の小さな村にある少女がいる。
 彼女の名前はミーナ・ソルナ。母親譲りのややふんわりとした明るい金髪に父親譲りの深い青の瞳の十三歳。
「あ、ミーナおはよう」
「おはようホリー」
 彼女の一日は部屋を出て妹のホリー・ソルナと挨拶するところから始まる。ホリーは母親譲りの深い緑の瞳に父親譲りの癖毛気味の明るい茶髪をいつものように一つ結びにしている。
 この後二人で下に降りて一緒に食事を摂ってから出掛け⋯⋯
「今日は授業早いからもう行くね。お昼は街のいつもの場所で。朝ごはんは置いてあるからちゃんと食べてからお仕事行ってね。あ、鍵ちゃんとしてね、最近村の東のほう物騒みたいで〝辺境だからって油断してるとこの前の人みたいになっちゃう〟ってお肉屋のおばさんが言ってたよ」
「うん、わかった。いってらっしゃい」
 ⋯⋯一緒に出掛けることはなく、しっかり者の妹はミーナに伝えることだけ伝えると、駆け足気味にミーナの横を通りそのまま階段を降りていった。
(〝いつも通り〟じゃなくなっちゃったんだな)
 出すのは少し前までの日常。
 週に二日、朝一緒に家をて急な坂を並んで歩き坂の終わりにあ祖父母前を通って、村から数十分の街にる学び舎で初等基礎と呼ばれるものを学ぶ。学び舎で幼馴染たちと駄弁ったりしたりして過ごし終わったまた肩を並べて帰ったり⋯⋯。
 ミーナのいつも通り当たり前の日常彼女が十三歳になったことにより終わった大昔成人が十三歳だっ影響か十三歳なると半成人としてが正式に合法化される。責任が発生する代わりに〝お手伝〟としタダ働きか報酬として小さ果物一つ、という感じで誤魔化されていのが労働という扱いにり、一定の賃金を得られるようになる
 ミーナとともに学んだ周りの子どもたちは家業を継ぐためお金対価の労働にとはあまりないらしい。
 畑を見れば親に土を耕すかつての友人が、店の方を見ると兄妹で親の店を継ぐのだと話していた幼馴染たちの姿がある。
 いつの間にか知らない大人になってまった子どもたちミーナには眩しく感じしまって仕方がなかった。
「⋯⋯」
 一月前まで週に二日学び舎へホリーと一緒に出掛けるのが彼女日常であったのだがどうやそうではなくなったらしい少し目を離し初等基礎を卒業して働いているだいもかった雛鳥巣立を見なかった何とも言えない込み上げた。

 村を出て数十分にあるアキステーノの街。近の村に住む人々が集る場所として発展したこの場所はミーナが知っている中で一番の〝何でもある〟場所
 建物ところ狭しと並んでいて、見えない場所には労寮があるという。
 ミーナは薬をつくる会社
 彼女がいなくても、やらなくてもいい仕事。

 カンカンカンと鐘の音響くと昼休憩。
「伯父さ……作業所長、お昼外で食べてきます」

作業所長に一言声をかけてから外へ出ると一直線に 

「⋯⋯⋯⋯ねむ」
 ミーナもホリー後に続くように階段を下る
 階段にミーナが生まれ前から飾られてる知らない親戚古い肖像画や出ていった父親の描いた絵、死んだ伯母が最後に作った押し花、それに目立たないところに夢を再び追いけにいった母親の初公演のチケットが飾られいる。 遠目から見ても見なくても歪で不気味だ。
 みんな色々な理由で居なくなったもだか、両親も伯母も消えた時期はソルナ家の不吉階段だの井戸端会議言われたりもた。
〈階段だけじゃなのにね。倉庫か書斎とかのほがもっと⋯⋯〉
  朝、妹と挨拶を交わした後、村を出て学び舎へ行道を途中で辿って出勤伯父が働き先無かった彼女ために作り上げた彼女がいなくても、やらなくてもいい仕事をするどうやらこれ新しいミーナの日常のようお昼妹と食べのはかての日常と変わ微笑ましいと
      

0話
「⋯⋯」
 揺れる小さな馬車の隅で少女は妹と丸くなって座っていた。
 大きな荷物を抱きかかえてフードを深くかぶる妹を隠すようにしてじっと、もう見えなくなった村の方を見ている。いつ村に帰るのか、どこに向かうのかも分からない旅路の幕開けにどうしようもない不安を胸に、少女は今までの日常を思い返していた。

1話 ミーナの日常
 箱庭イクセト最北の小さな島国サチヌにある〝最北の村〟ことカシツネ村。雪解けが終わる頃の小さな村にある少女がいる。
 彼女の名前はミーナ・ソルナ。母親譲りのややふんわりとした明るい金髪に父親譲りの深い青の瞳の十三歳。
「あ、ミーナおはよう」
「おはようホリー」
 彼女の一日は部屋を出て妹のホリー・ソルナと挨拶するところから始まる。ホリーは母親譲りの深い緑の瞳に父親譲りの癖毛気味の明るい茶髪をいつものように一つ結びにしている。
 この後二人で下に降りて一緒に食事を摂ってから出掛け⋯⋯
「今日は授業早いからもう行くね。お昼は街のいつもの場所で。朝ごはんは置いてあるからちゃんと食べてからお仕事行ってね。あ、鍵ちゃんとしてね、最近村の東のほう物騒みたいで〝辺境だからって油断してるとこの前の人みたいになっちゃう〟ってお肉屋のおばさんが言ってたよ」
「うん、わかった。いってらっしゃい」
 ⋯⋯一緒に出掛けることはなく、しっかり者の妹はミーナに伝えることだけ伝えると、駆け足気味にミーナの横を通りそのまま階段を降りていった。
「⋯⋯」
 つい一月前までは週に二日学び舎へホリーと一緒に出掛けるのが彼女の日常であったのだが、どうやらそうではなくなったらしい。少し目を離した隙に初等基礎を卒業して働いているだなんて思いもしなかった。雛鳥が巣立つところを見られなかった何とも言えない悲しみが込み上げてきた。

朝、妹と挨拶を交わした後、村を出て学び舎へ行く道を途中まで辿って出勤。伯父が働き先の無かった彼女のために作り上げた彼女がいなくても、やらなくてもいい仕事をする。どうやらこれが新しいミーナの日常のようだ。お昼は妹と食べるというのはかつての日常と変わらずで微笑ましいと思う。