これは私たちが紡いだ希望の物語  No. version 40

2021/04/29 08:51 by someone
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【花森剣人】
【花森剣人】
東城大学文学部に所属する大学一回生(19歳)。幼少期から社会や人間関係に圧力を感じ、不登校となっていた過去を持つ。そのことから「他の人には同じ思いはしてほしくない、誰かの力になれれば———」と思うようになる。故に高校時代は社会福祉を専攻していた。しかし自身への客観的な視点を持つことができず、また他者に対しても、その事情・心情を真に理解する前に、自身の感情を押し付けてしまっていた不器用な人物。やがてその閉塞感に対し、「自分は何かしていい人間ではない」と痛感。不完全な理想とアイデンティティは、”無力”という現実の前に打ちのめされてしまう。
その後、ある少女との語らいを以て、“誰かの力になりたい”という思いを封じ、高校を一年遅れかつ本人曰く「最悪の成績」で卒業する。その後どうにか大学には合格したが、剣人はすっかり塞ぎこもってしまっており、心配してくれる家族に対しても一定の距離を置き、大学にも基本的に友人はいない。また、なるべく落ち着いて生きていけることを最優先に、無気力な日々を送っていた。
だがある日、大学の講義の帰りに“黒い影のような怪物”に襲われ、右肩を負傷。辛くもその場を逃れ、病院に担ぎ込まれて治療を受ける。だがその夜に怪物=エクリプスの因子が活性化。右腕の傷が発熱し、痛むとともに、「見える世界全てが暗く塗りつぶされ消えゆく」という夢を見る。
それを見て感じていたおぞましさや恐怖が、やがて怒りと染まり、自身を異形に変えていく。その果てに闇に溶け虚無と化していく自我。僕の“人間”はここまでか———
瞬間、誰かの声が響く。優しい真心、その温み。その誰かは自分の襟元を指して、言った。「あなたはここにいる。私たちの物語は———」
 目が覚めるとその手に握られていたのは、あの暗がりにいた子からの星のキーホルダーだった。
…あの夢は一体…怪物に襲われたことを病院スタッフに話しても信じてもらえない剣人は、漠然とそのことを考えて過ごす。その矢先、病院に怪物の別個体が襲来。剣人は友人となった他の患者と、パニックの中避難しようとするも行く手をエクリプスに阻まれてしまう。混乱の中、友人を庇おうとした剣人が咄嗟に構えた右腕は、異形のそれとなっていた。その場を切り抜けることはできたが、以降、(擬態こそ可能だが)エクリプス因子が変異した右腕を持ってしまった剣人は、社会的にも認知されていない存在であるエクリプスの手掛かりを探さねばと躍起になる。

序盤では、変異した右腕がエクリプスに対抗し得るであり、その魔手から人を守り得る力であることが判明するも、もともと身体能力が非常に低いことと、その精神的未熟さもあって「今さらこんな力を持ったところで…」と戦闘には非常に消極的だった。また、エクリプスから狙われた人たちを助けた際に、怯えられてしまったこともあって、戦闘時などはつばの広いハットと大きな黒マスク、袖が着脱式のコートで顔や姿を隠している。一方で、エクリプスと戦う謎の存在である“赤毛の魔女リュミエ”と追い、彼女から情報を得ようと協力関係になる。その行動を共にしていくうちに戦闘の練度を上げていく。
作中中盤では、リュミエとの関係も互いに大切な友人へと変化しており、星のキーホルダーもアイギスへとその力を覚醒させる。しかし出会った人たちをエクリプスから救えないこともあり、そのことを一人で抱え込んで苦悶してしまう。それに伴ってかつての憧れは怒りへと変わり、エクリプスを倒し、その核を取り込むことで力の絶対量が増えていくことを知った剣人は、過剰に力を求め、エクリプスを“狩り始める”。リュミエ=心羽が傷を負うことに怯えるあまり、過剰な庇護欲を見せ始めるのもこの辺りから。最終的に幹部級エクリプスに圧倒された際、右腕のエクリプス因子の力が深化して見境なく暴れまわり、リュミエも傷つけてしまう。その後、剣人はこのことを激しく悔い一度リュミエのもとを離れる。
終盤において、剣人はノクスケイデンを訪れる。そこはあの夢のように暗く塗りつぶされた世界。そして常に自身の内だけで抱えてきた現世への恐怖の反映のように彼には思えた。その中で罪業と醜悪さに塗れた自分自身という絶望に潰されてしまい、それまでの全てを今度こそ諦めてしまう。ただ剣人には…完全に闇に溶け、虚無に帰してしまう前に、一つだけやりたいことがあった。それは、心羽を始めとする出会った人たちに“思いを伝えたい”ということ。常に世界とやり取りする上で欠落があり、恐怖を抱いていた。そこから逃れるために、或いは自分が安心するために、独りよがりな憧れに憑りつかれ、時に怒りさえしたけれど…
「あの時、あの子や色んな人に自分の思いをちゃんと伝えて、互いの思いを話して、自分がここにいるんだって思った。俺のそれが“綺麗だと思ったよ”って言われて、嬉しかったんだ…あれは、欠落があったとしても、正義の味方以上の俺の真実だと思うから———」
そうして剣人は、いつか諦めが来たとして、それに沈むまでに、可能な限り自分だけで完結することなく、共にその先へ命を繋げることを選ぶ。
その変化した心象を花ノ剣腕へと顕現させ、ノクスケイデンからの道を打開。心羽の前に戻り、二年前のように誠実に互いの思いを話しあい和解。
そして最終決戦の一回のみ、この時の持てる力を完全開放して変身する。

異形ノ腕 ゼルク
右肩を負傷した際に付与されたエクリプス因子が星のキーホルダーと干渉し、変異したことで異形の力を有する右腕となった。通常の人間のそれより二回りほど肥大し、黒く鋭い。
後に左腕もこの異形へと変化させることが可能となる。

温ミノ盾 アイギス
その優しさと繋がりの具現、守る意思の結実した盾。
作中中盤、星のキーホルダーはそれまでのエクリプス因子を抑える役割の身に留まらず、聖なる盾としてその力を覚醒させる。

翼宿ス沓 タラリア
アイギスの能力解放時に付随して発現した、言うなればセットの武装。これによって飛行能力が付与される。

花ノ剣腕 オルトリンデ
剣人が心羽や出会った人たちの影響を受け、自身の心象を変化させたことで、それまでの異形の右腕も花の剣腕へと変質し、最強の矛となった。
      

【花森剣人】
東城大学文学部に所属する大学一回生(19歳)。幼少期から社会や人間関係に圧力を感じ、不登校となっていた過去を持つ。そのことから「他の人には同じ思いはしてほしくない、誰かの力になれれば———」と思うようになる。故に高校時代は社会福祉を専攻していた。しかし自身への客観的な視点を持つことができず、また他者に対しても、その事情・心情を真に理解する前に、自身の感情を押し付けてしまっていた不器用な人物。やがてその閉塞感に対し、「自分は何かしていい人間ではない」と痛感。不完全な理想とアイデンティティは、”無力”という現実の前に打ちのめされてしまう。
その後、ある少女との語らいを以て、“誰かの力になりたい”という思いを封じ、高校を一年遅れかつ本人曰く「最悪の成績」で卒業する。その後どうにか大学には合格したが、剣人はすっかり塞ぎこもってしまっており、心配してくれる家族に対しても一定の距離を置き、大学にも基本的に友人はいない。また、なるべく落ち着いて生きていけることを最優先に、無気力な日々を送っていた。
だがある日、大学の講義の帰りに“黒い影のような怪物”に襲われ、右肩を負傷。辛くもその場を逃れ、病院に担ぎ込まれて治療を受ける。だがその夜に怪物=エクリプスの因子が活性化。右腕の傷が発熱し、痛むとともに、「見える世界全てが暗く塗りつぶされ消えゆく」という夢を見る。
それを見て感じていたおぞましさや恐怖が、やがて怒りと染まり、自身を異形に変えていく。その果てに闇に溶け虚無と化していく自我。僕の“人間”はここまでか———
瞬間、誰かの声が響く。優しい真心、その温み。その誰かは自分の襟元を指して、言った。「あなたはここにいる。私たちの物語は———」
 目が覚めるとその手に握られていたのは、あの暗がりにいた子からの星のキーホルダーだった。
…あの夢は一体…怪物に襲われたことを病院スタッフに話しても信じてもらえない剣人は、漠然とそのことを考えて過ごす。その矢先、病院に怪物の別個体が襲来。剣人は友人となった他の患者と、パニックの中避難しようとするも行く手をエクリプスに阻まれてしまう。混乱の中、友人を庇おうとした剣人が咄嗟に構えた右腕は、異形のそれとなっていた。その場を切り抜けることはできたが、以降、(擬態こそ可能だが)エクリプス因子が変異した右腕を持ってしまった剣人は、社会的にも認知されていない存在であるエクリプスの手掛かりを探さねばと躍起になる。

序盤では、変異した右腕がエクリプスに対抗し得るであり、その魔手から人を守り得る力であることが判明するも、もともと身体能力が非常に低いことと、その精神的未熟さもあって「今さらこんな力を持ったところで…」と戦闘には非常に消極的だった。また、エクリプスから狙われた人たちを助けた際に、怯えられてしまったこともあって、戦闘時などはつばの広いハットと大きな黒マスク、袖が着脱式のコートで顔や姿を隠している。一方で、エクリプスと戦う謎の存在である“赤毛の魔女リュミエ”と追い、彼女から情報を得ようと協力関係になる。その行動を共にしていくうちに戦闘の練度を上げていく。
作中中盤では、リュミエとの関係も互いに大切な友人へと変化しており、星のキーホルダーもアイギスへとその力を覚醒させる。しかし出会った人たちをエクリプスから救えないこともあり、そのことを一人で抱え込んで苦悶してしまう。それに伴ってかつての憧れは怒りへと変わり、エクリプスを倒し、その核を取り込むことで力の絶対量が増えていくことを知った剣人は、過剰に力を求め、エクリプスを“狩り始める”。リュミエ=心羽が傷を負うことに怯えるあまり、過剰な庇護欲を見せ始めるのもこの辺りから。最終的に幹部級エクリプスに圧倒された際、右腕のエクリプス因子の力が深化して見境なく暴れまわり、リュミエも傷つけてしまう。その後、剣人はこのことを激しく悔い一度リュミエのもとを離れる。
終盤において、剣人はノクスケイデンを訪れる。そこはあの夢のように暗く塗りつぶされた世界。そして常に自身の内だけで抱えてきた現世への恐怖の反映のように彼には思えた。その中で罪業と醜悪さに塗れた自分自身という絶望に潰されてしまい、それまでの全てを今度こそ諦めてしまう。ただ剣人には…完全に闇に溶け、虚無に帰してしまう前に、一つだけやりたいことがあった。それは、心羽を始めとする出会った人たちに“思いを伝えたい”ということ。常に世界とやり取りする上で欠落があり、恐怖を抱いていた。そこから逃れるために、或いは自分が安心するために、独りよがりな憧れに憑りつかれ、時に怒りさえしたけれど…
「あの時、あの子や色んな人に自分の思いをちゃんと伝えて、互いの思いを話して、自分がここにいるんだって思った。俺のそれが“綺麗だと思ったよ”って言われて、嬉しかったんだ…あれは、欠落があったとしても、正義の味方以上の俺の真実だと思うから———」
そうして剣人は、いつか諦めが来たとして、それに沈むまでに、可能な限り自分だけで完結することなく、共にその先へ命を繋げることを選ぶ。
その変化した心象を花ノ剣腕へと顕現させ、ノクスケイデンからの道を打開。心羽の前に戻り、二年前のように誠実に互いの思いを話しあい和解。
そして最終決戦の一回のみ、この時の持てる力を完全開放して変身する。

温ミノ盾 アイギス
その優しさと繋がりの具現、守る意思の結実した盾。
作中中盤、星のキーホルダーはそれまでのエクリプス因子を抑える役割の身に留まらず、聖なる盾としてその力を覚醒させる。