シンプルなn次元図形に関する考察 version 1

2019/10/05 17:55 by benzenechlorobenzene
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# シンプルなn次元図形に関する考察
## お断り
証明せずに使った事柄や天下り的に出てきた事柄がたくさんあります。許して……
## 定義
- 以下,$n$次元の図形を$体^n$と表記する
- $n$次元座標空間の各軸を$x_1$軸,$x_2$軸,…と表記する。なお一般的な書き方と比較すると$x_1$軸=x軸,$x_2$軸=y軸,$x_3$軸=z軸,
- $体^n$で,$n$個の頂点を持ち,各頂点から他の全ての頂点に長さ1の辺を引いた図形を$△^n$と呼び,これら$△^2$(正三角形),$△^3$(正四面体),……を三角属と呼ぶことにした。
- $体^n$で,$2^n$個の頂点を持ち,各頂点から座標空間の軸(e.g. x軸,y軸,z軸,……)に平行な長さ1の辺を引いた図形を$□^n$と呼び,これら$□^2$(正四角形),$□^3$(正六面体),……を四角属と呼ぶことにした。

## $△^n$や$□^n$の形状
- 座標空間の次元は無限(たぶん加算)であるとする
- $△^0$や$□^0$を座標空間の原点,$△^1$や$□^1$を$(1,0)$とする。
- $△^n$や$□^n$について,座標の$n+1$次以降は全て0とする。
- $△^n$や$□^n$は$△^{n-1}$や$□^{n-1}$に新しい次元の点を追加したものとする。
### $□^n$の形状
結論から書くと,$□^n$の各頂点は$(\underbrace{[0or1],…,[0or1]}_{n個})$として表せる全ての頂点である。これは定義,正四角形や正六面体の座標から明らかである

### $△^n$の形状
$△^n$の頂点の数は$n$個であることから,$△^n$を$△^{n-1}$に新しい次元の点1つを追加したものとして考える。このとき追加する点を$P_n$と呼ぶ

ここで,$△^{n-1}$の外心を$G(△^{n-1})$と表記することにする。そうすると,$G(△^{n-1})$を通る$x^n$軸に平行な直線上の点は,$△^{n-1}$のそれぞれの頂点から等距離である。(例1.線分垂直二等分線上の点は二つの端点から等距離である)このため,$G(△^{n-1}) = (g_1,g_2,…,g_{n-1},0,0,…)$としたとき,$G(△^n) = (g_1,g_2,…,g_{n-1},g_n,0,…)$となる。($g_1$,$g_2$,……は全て定数)

よって,$△^{n-1}$の各頂点と外心の距離を$r_{n-1}$とするとき,$P_n=(g_1,g_2,…,g_{n-1},\sqrt{1-{r_{n-1}}^2},0,…)$ である。また,$G(△^{n})$は$G(△^{n-1})$と$P_n$を結ぶ直線上にあり,$G(△^{n-1})$と$P_n$の距離は,原点と$G(△^{n-1})$の距離に等しいため,相似の関係から $r_n=\frac{1}{2\sqrt{1-{r_{n-1}}^2}}$,また$g_n=\frac{1-2{r_{n-1}}^2}{2\sqrt{1-{r_{n-1}}^2}}=\frac{1}{2r_n}-r_n$

ここで,$p_n=\sqrt{1-{r_{n-1}}^2}$として書き直すと,$r_n=\frac{1}{2p_n}$より$p_n=\sqrt{1-\frac{1}{4{p_{n-1}}^2}}$また,$g_n=p_n-\frac{1}{2p_n}$。

ここから,$G(△^n)$,$P_n$ はすべて $p_1$,…,$p_{n-1}$ と で表されるため,ここからはこれら $p_n$ について漸化式を考える。

$△^1$ は 原点$(0,0,…)$ と $P_1(1,0,…)$ を結ぶ線分であり,その重心$G(△^1)$ は 点$(\frac{1}{2},0,…)$である。このことから$p_1=1,g_1=\frac{1}{2}$

ここから順に$p_n$を計算すると,

|$p_1$|$p_2$               |$p_3$               |$p_4$               |$p_5$               |…|
|-----|--------------------|--------------------|--------------------|--------------------|-|
|1    |$\sqrt{\frac{3}{4}}$|$\sqrt{\frac{2}{3}}$|$\sqrt{\frac{5}{8}}$|$\sqrt{\frac{3}{5}}$|…|

また, $△^n$ の大きさを $V_n$ とすると,$V_n=\frac{\prod_{i=1}^{n}p_i}{n!}$であるので

|$V_1$|$V_2$               |$V_3$                |$V_4$                |$V_5$                 |…|
|-----|--------------------|---------------------|---------------------|----------------------|-|
|1    |$\frac{\sqrt{3}}{4}$|$\frac{\sqrt{2}}{12}$|$\frac{\sqrt{5}}{96}$|$\frac{\sqrt{3}}{480}$|…|

## おまけ
$△^n$ や $□^n$ にはそれぞれ「正単体」とか「正測体」とかいう素敵な名前が付いてて超体積の一般項も求められていました。車輪の再発明だったね……      

シンプルなn次元図形に関する考察

お断り

証明せずに使った事柄や天下り的に出てきた事柄がたくさんあります。許して……

定義

  • 以下,\(n\) 次元の図形を\(体^n\)と表記する
  • \(n\)次元座標空間の各軸を\(x_1\)軸,\(x_2\)軸,…と表記する。なお一般的な書き方と比較すると\(x_1\)軸=x軸,\(x_2\)軸=y軸,\(x_3\)軸=z軸,
  • \(体^n\)で,\(n\)個の頂点を持ち,各頂点から他の全ての頂点に長さ1の辺を引いた図形を\(△^n\)と呼び,これら\(△^2\)(正三角形),\(△^3\)(正四面体),……を三角属と呼ぶことにした。
  • \(体^n\)で,\(2^n\)個の頂点を持ち,各頂点から座標空間の軸(e.g. x軸,y軸,z軸,……)に平行な長さ1の辺を引いた図形を\(□^n\)と呼び,これら\(□^2\)(正四角形),\(□^3\)(正六面体),……を四角属と呼ぶことにした。

\(△^n\)や\(□^n\)の形状

  • 座標空間の次元は無限(たぶん加算)であるとする
  • \(△^0\)や\(□^0\)を座標空間の原点,\(△^1\)や\(□^1\)を\((1,0)\)とする。
  • \(△^n\)や\(□^n\)について,座標の\(n+1\)次以降は全て0とする。
  • \(△^n\)や\(□^n\)は\(△^{n-1}\)や\(□^{n-1}\)に新しい次元の点を追加したものとする。

\(□^n\)の形状

結論から書くと,\(□^n\)の各頂点は\((\underbrace{[0or1],…,[0or1]}_{n個})\)として表せる全ての頂点である。これは定義,正四角形や正六面体の座標から明らかである

\(△^n\)の形状

\(△^n\)の頂点の数は\(n\)個であることから,\(△^n\)を\(△^{n-1}\)に新しい次元の点1つを追加したものとして考える。このとき追加する点を\(P_n\)と呼ぶ

ここで,\(△^{n-1}\)の外心を\(G(△^{n-1})\)と表記することにする。そうすると,\(G(△^{n-1})\)を通る\(x^n\)軸に平行な直線上の点は,\(△^{n-1}\)のそれぞれの頂点から等距離である。(例1.線分垂直二等分線上の点は二つの端点から等距離である)このため,\(G(△^{n-1}) = (g_1,g_2,…,g_{n-1},0,0,…)\)としたとき,\(G(△^n) = (g_1,g_2,…,g_{n-1},g_n,0,…)\)となる。(\(g_1\),\(g_2\),……は全て定数)

よって,\(△^{n-1}\)の各頂点と外心の距離を\(r_{n-1}\)とするとき,\(P_n=(g_1,g_2,…,g_{n-1},\sqrt{1-{r_{n-1}}^2},0,…)\) である。また,\(G(△^{n})\)は\(G(△^{n-1})\)と\(P_n\)を結ぶ直線上にあり,\(G(△^{n-1})\)と\(P_n\)の距離は,原点と\(G(△^{n-1})\)の距離に等しいため,相似の関係から \(r_n=\frac{1}{2\sqrt{1-{r_{n-1}}^2}}\),また\(g_n=\frac{1-2{r_{n-1}}^2}{2\sqrt{1-{r_{n-1}}^2}}=\frac{1}{2r_n}-r_n\)

ここで,\(p_n=\sqrt{1-{r_{n-1}}^2}\)として書き直すと,\(r_n=\frac{1}{2p_n}\)より\(p_n=\sqrt{1-\frac{1}{4{p_{n-1}}^2}}\)また,\(g_n=p_n-\frac{1}{2p_n}\)。

ここから,\(G(△^n)\),\(P_n\) はすべて \(p_1\),…,\(p_{n-1}\) と で表されるため,ここからはこれら \(p_n\) について漸化式を考える。

\(△^1\) は 原点\((0,0,…)\) と \(P_1(1,0,…)\) を結ぶ線分であり,その重心\(G(△^1)\) は 点\((\frac{1}{2},0,…)\)である。このことから\(p_1=1,g_1=\frac{1}{2}\)

ここから順に\(p_n\)を計算すると,

\(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(p_4\) \(p_5\)
1 \(\sqrt{\frac{3}{4}}\) \(\sqrt{\frac{2}{3}}\) \(\sqrt{\frac{5}{8}}\) \(\sqrt{\frac{3}{5}}\)

また, \(△^n\) の大きさを \(V_n\) とすると,\(V_n=\frac{\prod_{i=1}^{n}p_i}{n!}\)であるので

\(V_1\) \(V_2\) \(V_3\) \(V_4\) \(V_5\)
1 \(\frac{\sqrt{3}}{4}\) \(\frac{\sqrt{2}}{12}\) \(\frac{\sqrt{5}}{96}\) \(\frac{\sqrt{3}}{480}\)

おまけ

\(△^n\) や \(□^n\) にはそれぞれ「正単体」とか「正測体」とかいう素敵な名前が付いてて超体積の一般項も求められていました。車輪の再発明だったね……